未体験の
投資案件を完遂せよ。


製品営業課 2006年


※社員の所属部署は取材当時のものです。

株式上場に
合わせた
住宅メーカーへの
出資

双日建材は、建材を軸に多面的なビジネスネットワークを構築しながら、その事業を展開している。今から数年前、双日建材と人的なつながりのあった住宅メーカーが、株式上場に際して双日建材に出資を打診してきた。笹岡は、出資に伴う社内業務をサポートする担当者として、出資先との交渉役を務めた上司と行動を共にすることになった。笹岡は、出資先との面談に同席して把握した先方の事業戦略や財務情報をもとに、

投資回収計画など社内やグループの上層部に最終的な経営判断を下してもらうために必要な各種書類の作成に奔走した。双日建材の住宅メーカーへの出資は、経営戦略上の大きな意義を持つものだった。本格的な少子高齢化時代を迎えて、国内の住宅着工棟数が落ち込み、建材の需要も縮小している。こうした環境下での住宅メーカーへの出資は、より強固な販売基盤を維持発展させる施策だった。

ミッションの
遂行を支えた、
強い想い

投資案件をゴールへと導くには、相手先の財務的なエビデンスや事業の将来性をもとに関係各所の合意を積み上げて、経営陣からの最終的なGOサインを得なくてはならない。投資案件が未経験の笹岡は、既存のスキルや経験値では対応できない書類作成や、社内の合意形成を、幾つもクリアしなくてはならなかった。さらに、スケジュールとの戦いもあった。出資先企業の株式上場に向けたスケジュールは厳格に策定されているため、双日建材からの出資に関する返答期限も厳守が求められた。

資料の提出期限や社内の決裁を得る期限などに細心の注意を払いつつ、自分だけの力では解決できない問題に直面した時は、社内の専門セクションや知見を持つ先輩たちとスピーディに連携することで、課せられたミッションを滞りなく遂行していった。自分の仕事を成し遂げた笹岡の支えとなったのは、「会社の未来につながる未知の領域を、自分の手で切り拓いてやろう」という強い想いだった。

経験と学びを糧に、
業界全体の課題に挑む

笹岡たちの働きにより、住宅メーカーへの出資は無事に実行された。建材ビジネスのサプライチェーンの川上領域での事業を得意とする双日建材は、川下領域での事業のノウハウも強みにしていく足掛かりを得ることができた。一方で笹岡自身も、投資案件に携わったことにより、ビジネスパーソンとしてステップアップできた。投資実行のプロセス、ファイナンスやIPOに関する実務などを通して、体得できた知識とスキルの価値は計り知れない。

だが、笹岡が最も貴重な成果と考えているのは「出資を依頼してきた住宅メーカーのようなパートナーとの関係性こそが、企業にとってかけがえのない財産になる」と学んだことだ。パートナー企業との信頼関係構築をモットーに、次に挑むのは廃材の削減である。建築現場ごとに多様な事情を抱える建材の調達や使用の実態を数値化し、実効性のある改善策を練ることは難しい。それでも笹岡は、地球環境の保全にも関わる業界全体の問題に、投資案件を通して鍛えた粘り強さを武器に立ち向かっていく。